ITの世界をリードする富士通は、就活生にとって魅力的な選択肢です。日本を代表するIT企業として、富士通は技術革新と社会貢献を両立させ、グローバル市場で存在感を示しています。富士通の企業研究は、IT業界の動向を理解し、自身のキャリアを考えるうえで重要な意味を持ちます。
この記事では、富士通の企業概要や主要事業、強みと課題について詳しく解説します。また、就活生に役立つ採用情報や、Webテストの特徴、内定への道のりなども紹介します。富士通の社風や特徴を知ることで、就職活動の際に自分との相性を見極める手がかりになるでしょう。富士通がどんな会社なのか、その全体像をつかむことができます。
富士通の企業概要
創業の歴史
富士通は、1935年6月20日に富士電機製造株式会社(現在の富士電機株式会社)の通信機部門が分離・独立し、「富士通信機製造株式会社」として設立されました。創業以来、富士通は技術力を発揮し、常に革新を追求してきました。1940年には日本初の国産自動交換機「T形交換機」を逓信省に納入し、戦後の電話設備復旧にも大きく貢献しました。
事業内容
富士通は、世界をリードするDXパートナーとして、幅広いICTサービスを提供しています。主な事業内容は以下の通りです:
- サービスソリューション:コンサルティング、クラウドサービス、システムインテグレーション、ソフトウェア開発など
- ハードウェアソリューション:サーバー、ストレージ、ネットワーク機器の開発・製造・販売
- ユビキタスソリューション:パソコン、モバイル端末の開発・製造・販売
- デバイスソリューション:半導体や電子部品の開発・製造・販売
特に、Fujitsu Uvanceは社会課題の解決を起点としたクロスインダストリーのソリューションとして注目されています。
企業規模
富士通は、日本を代表するIT企業として、グローバル市場で大きな存在感を示しています。2024年3月末時点の従業員数は、連結ベースで約124,000人に達しています。売上収益は3兆7560億円(2023年度)、研究開発費は1,233億円と、積極的な投資を行っています。資本金は3,256億円(2024年3月31日現在)で、東京証券取引所プライム市場に上場しています。
富士通の主要事業
富士通は、幅広い事業領域でサービスとソリューションを提供しています。主要な事業セグメントは以下の通りです。
テクノロジーソリューション
テクノロジーソリューションは富士通の中核事業です。この分野では、システムインテグレーション、コンサルティング、クラウドサービス、アウトソーシングサービスなど、幅広いITサービスを提供しています。特に注目すべきは、Fujitsu Uvanceというクロスインダストリーのソリューションです。これは、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けた取り組みの一環として開発されました。
富士通は、AIやセキュリティ、クラウドなどの最先端技術を活用し、お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。また、ハイブリッドITサービスやスマートデジタルワークソリューションなど、多様なニーズに対応するサービスラインアップを有しています。
ユビキタスソリューション
ユビキタスソリューション事業では、主に法人向けのパソコンやタブレットを提供しています。この分野での富士通の強みは、高い品質と信頼性、そして日本市場のニーズに合わせたカスタマイズ能力です。2019年度の売上収益は4,552億円で、全体の11.4%を占めています。
デバイスソリューション
デバイスソリューション事業では、半導体パッケージや電池などの電子部品を開発・製造しています。この分野は、富士通の技術力を支える重要な基盤となっています。2019年度の売上収益は3,094億円で、全体の7.8%を占めています。
富士通は、これらの事業を通じて、ITサービス市場で日本国内シェアNo.1、グローバルでも上位のポジションを確立しています。特に、大規模かつ先進的なシステム構築の実績と高い技術力が評価されています。
富士通は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスのもと、テクノロジーを通じて社会課題の解決に取り組んでいます。今後も、先進的な技術開発と多様なサービス提供を通じて、お客様のビジネス変革を支援し、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されています。
富士通の強みと課題
富士通は、日本を代表するIT企業として、数々の強みを持つ一方で、課題にも直面しています。これらの特徴を理解することは、就活生にとって富士通の企業研究を行う上で重要です。
国内トップシェアの実績
富士通の最大の強みは、国内ITサービス市場における圧倒的なシェアです。IDC Japanの調査によると、富士通は国内ITサービス市場で売上高トップの座を維持しています。特に、官公庁や金融、製造など幅広い事業領域でシェアを獲得しており、安定した基盤を有しています。
富士通の強みは、ヘルスケア領域にも及んでいます。電子カルテ市場では32%のシェアを持ち、特に大学病院では48%という高いシェアを誇っています。また、量子コンピューティング分野でも、富士通は国産機の開発でリードしており、より汎用的なアプリケーションに対応できる独自のプロセッサを使用しています。
これらの実績は、富士通が長年培ってきた技術力と信頼性の証であり、就活生にとっては安定した就職先としての魅力につながっています。
グローバル展開の課題
一方で、富士通はグローバル戦略において課題を抱えています。海外売上高を国内と同等にする目標を掲げていましたが、実際には全体の約35%にとどまっており、目標達成には至っていません。グローバル市場での競争力強化が今後の重要な課題となっています。
また、ITインフラ領域での変化により、富士通固有の強みが失われつつあることも課題です。クラウド化の進展により、従来のハードウェアの強みが薄れ、他のSIerとの差別化が難しくなっています。この状況下で、富士通は新たな価値提供の方法を模索する必要があります。
DX推進への取り組み
富士通は、これらの課題に対応するため、「IT企業からDX企業への転換」を掲げています。デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、お客様のビジネス変革を支援することで、新たな価値創造を目指しています。
具体的には、「Fujitsu Uvance」というクロスインダストリーのソリューションを展開し、業界横断でのデータ活用や新たなビジネス創出を支援しています。また、DX人材の育成にも注力し、お客様の内部に入り込んで伴走型でトランスフォーメーションを推進する取り組みも行っています。
これらの取り組みは、富士通が今後も国内外で競争力を維持し、成長していくための重要な戦略となっています。就活生にとっては、このような変革期にある富士通で働くことで、最先端のDX推進に携わる機会を得られる可能性があります。
就活生向け富士通の採用情報
富士通の採用情報は、就活生にとって重要な指針となります。富士通は、IT業界をリードする企業として、優秀な人材を求めています。ここでは、募集職種、選考プロセス、求める人材像について詳しく見ていきましょう。
募集職種
富士通は、幅広い分野で人材を募集しています。主な募集職種は以下の通りです:
- ビジネスプロデューサー
- ソリューションエンジニア
- データサイエンティスト
- 研究開発(ソフトウェア開発・ハードウェア開発・研究)
- 施工管理
- デザイン
- コーポレート(サプライチェーンマネジメント、法務、知的財産、財務・経理、総務・人事)
- マーケティング
これらの職種は、富士通の事業戦略に沿って設定されており、IT企業としての特徴が反映されています。特に、ビジネスプロデューサーやソリューションエンジニアは、富士通の中核を担う重要な職種です。
募集対象は、高等専門学校、大学、大学院を2025年3月までに卒業(修了)見込みの方、または既卒の方で新規卒業予定者と同じ枠組みによる採用を希望される方です。職歴の有無は問いません。
選考プロセス
富士通の選考プロセスは、以下のような流れで進行します:
- 書類選考
- 1次選考面接・WEB適性検査
- 2次選考面接
- 内定・入社
選考期間は部署や状況により異なりますが、通常2週間~1ヶ月程度となります。ただし、選考面接が1回になるなど、プロセスが変更される場合もあります。
応募方法は、富士通のホームページからのエントリーのみとなっています。郵送やメールでの応募は受け付けていないので注意が必要です。募集は随時行われていますが、募集人数を満たした職種は、随時ホームページへの掲載が停止されます。
求める人材像
富士通が求める人材像は、「富士通のパーパスに共感し、自らのパーパスと重ね合わせて未来を描き、『挑戦』していく方」です。また、「周囲と『信頼』を構築し、『共感』を引き出し合いながら進められる方」も重視されています。
具体的には、以下のような特徴を持つ人材が求められています:
- 好奇心旺盛で、チャレンジ精神がある
- 時代の変化を敏感に感じ取る能力がある
- 新しい仕事に対して積極的に取り組む姿勢がある
- コミュニケーション能力が高く、チームワークを重視できる
- ITを活用して社会課題を解決する意欲がある
- 「Fujitsu Way」の価値観に沿って行動できる
富士通は、入社時の高度な知識やスキルよりも、入社後の成長可能性を重視しています。そのため、入社後のトレーニングやサポートを通じて、必要な知識やスキルを身につけることができる環境を提供しています。
また、富士通では、キャリア支援や人材育成に積極的に取り組んでおり、社員一人ひとりのキャリアプランの実現を支援しています。フレックス制やテレワークなど、柔軟な働き方も推進しており、ワークライフバランスを重視する就活生にとっても魅力的な企業といえるでしょう。
富士通の採用では、応募者の能力や性格が自社とどのくらい適合しているかを重点的にチェックしています。特に、問題・課題解決能力や、コンサルタントとしての素養が求められます。エントリーシートや面接では、これらの能力をどのように発揮し、富士通に貢献できるかを明確に示すことが重要です。
就活生は、富士通のパーパスや「Fujitsu Way」に共感し、自身の強みや経験を活かしてどのように富士通で活躍できるかを具体的に伝えることが、選考を突破するポイントとなります。富士通の企業研究を十分に行い、自身のキャリアプランと照らし合わせながら、志望動機を練り上げていくことが大切です。
結論
富士通は、日本のIT業界をリードする企業として、技術革新と社会貢献の両立に力を入れています。その幅広い事業領域と国内トップシェアの実績は、就活生にとって魅力的な選択肢となっています。一方で、グローバル展開やDX推進など、今後の成長に向けた課題にも直面しており、これらの挑戦に共に取り組む意欲的な人材を求めています。
就活生は、富士通の企業研究を通じて、自身のキャリアプランとの相性を見極めることが大切です。富士通のパーパスや「Fujitsu Way」の価値観に共感し、自らの強みを活かせる職種を見つけることで、選考を突破するチャンスが広がります。富士通で働くことは、IT業界の最前線で活躍し、社会に貢献する機会となるでしょう。